琵  琶  の  種  類   
 

< 琵 琶 の 種 類 >

 

 古代ペルシャに起ったと伝えられる琵琶は、西はアラブ圏のウード、ヨーロッパのリュートやギター、東はシルクロードを経て中国の四弦曲頸琵琶、南はインドのヴィナと融合してインド琵琶、インドよりヒマラヤ山脈を越えて中国の西域(胡国)に発達した亀茲琵琶と言うように、それぞれの地域・民族性を反映し、その形態・音楽性を変えながら伝播していった。

我が国への琵琶の伝来については、時を隔ててインド盲僧琵琶と漢琵琶の2種が中国より伝わったとする説(従来説)と、雅楽琵琶として伝来した曲頸琵琶から各種琵琶が誕生したという説(新説)とがある。(註.インド盲僧琵琶については、その伝承の実態は解明されていない)

この2種の中、四弦曲頸琵琶(楽琵琶)は、現在もその原形を留め伝承されており、盲僧琵琶も、その起こりについては二説あるものの、九州地方に僅かながら、形を変えて伝承されている。この二種を基に、我が国独自の琵琶が作り出された。すなわち平家琵琶・薩摩琵琶・筑前琵琶の三種である。

この他に、奈良の正倉院御物として有名な直頸の五弦琵琶や、月琴に似た阮咸があるが実用化されていない。 

 

 
(1)琵琶の同属楽器………西方諸国・アジアに広く分布する、琵琶の同属と思われる様々な楽器を、
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(2)正倉院の琵琶…………奈良の正倉院に現存する、中国からもたらされた外来琵琶
(3)古典琵琶………………「武蔵野音楽大学楽器博物館」蔵(薦田治子撮影)
             大型古典琵琶(楽琵琶)、小型古典琵琶(平家琵琶)        
(4)盲僧琵琶………………『研究成果報告書《古楽器の形態と音色に関する総合研究》』
                                   (独立法人文化財研究所 東京文化財研究所)の『琵琶の部―薦田治子』
             より、「盲僧琵琶」を一部を除き転載
(5)近代琵琶………………現在協会の演奏会や一般に演奏される楽器で、薩摩琵琶(錦心流を含む)、
             筑前琵琶(四弦及び五弦)、錦琵琶、鶴田琵琶がある
              (註. 古典琵琶の平家琵琶も、一部の人によって現在も演奏されている)       
              (尚. 写真は、平成26年6月15日「夏季琵琶楽演奏大会」にて、出演者の琵
              琶をお借りして撮影(撮影、岩﨑玄龍) 
(6)各種琵琶の特徴一覧 《古楽器の形態と音色に関する総合研究》より転載
 
 
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