琵 琶 の 種 類 |
古代ペルシャに起ったと伝えられる琵琶は、西はアラブ圏のウード、ヨーロッパのリュートやギター、東はシルクロードを経て中国の四弦曲頸琵琶、南はインドのヴィナと融合してインド琵琶、インドよりヒマラヤ山脈を越えて中国の西域(胡国)に発達した亀茲琵琶と言うように、それぞれの地域・民族性を反映し、その形態・音楽性を変えながら伝播していった。 我が国への琵琶の伝来については、時を隔ててインド盲僧琵琶と漢琵琶の2種が中国より伝わったとする説(従来説)と、雅楽琵琶として伝来した曲頸琵琶から各種琵琶が誕生したという説(新説)とがある。(註.インド盲僧琵琶については、その伝承の実態は解明されていない) この2種の中、四弦曲頸琵琶(楽琵琶)は、現在もその原形を留め伝承されており、盲僧琵琶も、その起こりについては二説あるものの、九州地方に僅かながら、形を変えて伝承されている。この二種を基に、我が国独自の琵琶が作り出された。すなわち平家琵琶・薩摩琵琶・筑前琵琶の三種である。 この他に、奈良の正倉院御物として有名な直頸の五弦琵琶や、月琴に似た阮咸があるが実用化されていない。
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