各 流 派 の 特 色 / 音 源 紹 介(一部分) |
●各流派の特色として、音源(各、開始から3分)を「日本琵琶楽協会結成記念演奏大会」(昭和35年3月
11日)辻靖剛CDコレクション・他より、You Tube(音声のみ)にてご紹介します。
(尚、このCDコレクションは、当協会生みの親で育ての親、初代理事長・辻靖剛氏が創立当初、オープ
ンリールのテープで録音したものを、門人の清川嵐舟、本橋汕舟夫妻に贈与されたものを、音源が途
絶える前に協会に寄贈し、デジタル化したものです。)
▲「協会結成記念演奏大会」より
伊藤岳英
薩摩琵琶を吉村岳城に学ぶ。吟詠一誠流宗家。日本琵琶楽協会結成メンバーの一人。昭和49年2月20日逝去(72歳)
〔彰義隊〕
『人の車に乗るものは、人の憂いを載せ、君辱めを受くる時は「臣すなはち死すとよ」、「慶応四年初夏の頃」、徳川三百年の覇業滅び、前の将軍慶喜公は、責を一身に負ひ、上野東叡山に閉居して、恭順罪を………』
▲「協会第2回春季演奏大会」より
田中旭嶺
6歳より琵琶を学び11歳で師匠となる。後、豊田旭穣に師事。旭嶺会を主催。昭和52年11月28日逝去(71歳)
〔長篠の使者〕
『野も山も、埋めてひしと取り囲む、甲州武田の太刀風に、今や余命も長篠の、迫る危急を岡崎なる、主君家康に知らすべく、重き役目を軽き身に、担いし鳥居強右衛門、天正三年五月の一夜、敵の人夫に身をやつし、忍び出づれば明け近く…… 』
▲「協会結成記念演奏大会」より
平田旭舟
松竹映画「切腹」(音楽武満徹)の琵琶を古田耕水氏と共に担当、重厚な芸風で親しまれた。当協会発起人の一人。昭和39年5月7日逝去(59歳)
〔菅公〕
『抑々菅原朝臣道実公は、参議是善郷の第三子にて、生得聰明におわしければ、儒家より起り累進し、遂に右大臣に進ませ給い、帝の御龍遇殊にめでたかりしが、月にも雲のさわりあり、時の左大臣時平等の、讒言のため官職をやめられ、昌泰三年正月二十五日、太宰の権の師に、左遷の身とはなり給えり、「東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 主人なしとて 春なわすれそ」………』
▲「協会結成記念演奏大会」より
松田静水
錦心流琵琶一水会名誉会長として、錦心流琵琶界の第一人者。弾法は錦心流の規範ともなっている。協会設立メンバーの一人。昭和55年1月24日逝去(83歳)
〔道成寺〕
『山寺の、春の夕暮れ来てみれば、入相の鐘に花ぞ散る、空ものどけき法の庭、鐘の供養に詣でなば、作りし罪も消えぬべし、そもそも紀州道成寺は、………』
▲「協会結成記念演奏大会」より
水藤錦穣
永田錦心の直門。大正15年錦琵琶を創始。天性の美声と変幻自在の弾奏で一世を風靡した。協会設立メンバーの一人。昭和48年4月25日逝去(61歳)
〔耳なし芳一〕
『栄華の夢の二十年、醒めて空しき壇の浦、亡びし平家の一門は、浪に恨みを残しつつ、雲の何処に迷うらん。赤間が関の阿弥陀寺や、………』
▲フランスでの演奏録音
鶴田錦史
作曲家武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」で薩摩琵琶を世界に紹介し、新しい琵琶楽の方向性を示し、琵琶楽の芸域を拡大した。フランス芸術文学賞「コマンドール賞」等多くを受章。協会相談役。 平成7年4月4日逝去(83歳)
〔壇の浦〕
『時こそ来たれ、元暦二年三月二十四日の卯の刻に、源平両軍船出して壇の浦にて、矢合わせとぞ定めける、兵船諸共三千余艘、………』
※ 平家琵琶(平曲)は近代琵琶に属さないが、近年、本協会の演奏会ではしばしば演奏されている。
▲「協会主催夏季演奏大会」より
須田誠舟
薩摩琵琶を辻靖剛に、平家琵琶を金田一春彦に師事。NHK大河ドラマ「北条時宗」「武蔵」「篤姫」で琵琶指導、NHK「にっぽんの芸能」等テレビ出演。現在、日本琵琶楽協会理事長。
〔先帝御入水〕
『御念仏ありしかば、二位殿やがて抱き参らせて、波の底にも都のさぶらふぞと慰め参らせて、千尋の底にぞ沈み給ふ、………』