協会のあゆみ 創立50周年記念出版
 

◇ 創立50周年記念出版 『日本琵琶楽協会のあゆみ 』 ご案内

      ▲「日本琵琶楽協会のあゆみ」 表紙
      ▲「日本琵琶楽協会のあゆみ」 表紙

       

         〈 内 容 〉      〈 記 〉
第一部 琵琶楽の手引き(1〜59頁)    

 第1章  琵琶の概要……………(高橋すみゑ) 

 第2章  琵琶の歴史と伝来……(高橋すみゑ) 

 第3章  盲僧琵琶の伝来………(古澤錦城) 

 第4章  楽琵琶…………………(古澤錦城)

 第5章  平曲の伝来……………(須田誠舟)

 第6章  薩摩琵琶………………(須田誠舟)

 第7章  筑前琵琶のあらまし…(高橋すみゑ)

 第8章  錦心流琵琶……………(松原孔水)

 第9章  錦琵琶……………(水藤桜子・都穂鳳)

 第10章  鶴田流琵琶……………(田中錦煌)

第二部 日本琵琶楽協会史(61〜191頁) 

                 (田中錦煌)    

 

  平成21年12月25日、日本琵琶楽協会発行

  頒布価格 1.000円             

 『日本琵琶楽協会のあゆみ』 発刊に当って

                

                 日本琵琶楽協会会長 山 岡 知 博


     日本琵琶楽協会が創立しましてから50年の歳月が経過いたしました。その間、社会の状況は大きく変化しましたが、琵琶楽に関しては、50年前より確実に世間の関心は高くなり、伝統的な演奏形式によるものだけではなく、琵琶を演劇の伴奏として用いたり、他の楽器と合奏形式で取り上げたりして、広く現代の音楽生活の中で楽しまれる機会も多くなってまいりました。戦後の一時期、琵琶楽が衰退しかけたこともありましたが、当協会を中心とした琵琶楽の伝承・普及活動に邁進されてこられた多くの会員諸氏に心から敬意を表する次第であります。中でも、協会の主催で毎年継続して開催している「琵琶楽コンクール」に出場され、好成績をあげた若い演奏家が次々に育っている現状は、琵琶楽の将来を明るいものにしているといってよいでしょう。

 昭和34年、国立劇場の建設を耳にされた辻靖剛氏が、琵琶界の大同団結の必要を感じられ、日本琵琶楽協会の設立を思い立たれました。協会は、田辺尚雄先生という琵琶楽に理解のある大学者を会長に、副会長に吉川英史氏を迎え、榎本芝水、大館洲楓、松田静水、山口錦堂、吉水錦翁、辻靖剛、伊藤岳英、橘旭翁、橘旭宗、平田旭舟、水藤錦穣師等の琵琶界諸大家を設立発起人としてスタートを切りました。これら設立に尽力された方々はすでに故人となられましたが、琵琶楽の伝統が確実に受け継がれ、活発な活動をしている現在の状況をきっと心から喜んで居られることと思います。

 協会では今般、創立50周年を記念する事業の一つとして、『日本琵琶楽協会のあゆみ』を出版することといたしました。この本は第一部が「琵琶楽の手引き」として琵琶楽の歴史、音楽的な解説等による琵琶楽全般の手引書であり、第二部が当協会50年の足跡をまとめた「日本琵琶楽協会50年史」であります。編集に当たられた多くの理事、会員の協力によってこの本が出版されることに、大きな喜びを感じるものであります。50年の歴史を顧みつつ、新たな時代を展望するためにこの本が一役を担えれば幸甚であります。

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